photo by Aurelien Guichard
虎の威を借りる狐の英語
ライオンの皮をかぶったロバ
- 虎の威を借りる狐
虎の威を借りる狐とは、強いものの権力を利用し、弱いものに対して自分があたかもその権力者のようにふるまう人のことです。
もとは中国の故事から来ています。
ある時、キツネを食べようとしたトラにキツネが「私は神様から百獣の王に任命されているので食べてはいけない。嘘だと思うなら私についてきなさい」と言って、他の動物たちの所に一緒に行くと、キツネではなくトラを恐れた動物たちが走って逃げ出しました。しかしトラは自分のことを恐れて逃げていったとは思わず、キツネの言葉に納得したという話でした。
同じような意味を持つ英語の言葉では、キツネの代わりにロバ、トラの代わりにライオンになっています。ここでのassはdonkeyと同じで、「ロバ」の意味です。
この英語表現は、あの「イソップ童話」”Aesop’s Fable“の中のエピソードにありますが、この話自体も知らないネイティブもいるようなので、このフレーズだけでは通じないかもしれません。
なお、日本語のことわざとして説明したい場合は
まず中国の故事を説明した上で、
“A fox that borrows the authority of a tiger.”
と言えば、意味は通じると思います。
“fox”を用いた英語のことわざや慣用句など
“Better be the tail of lions than the head of foxes.”
キツネの頭となるよりも、ライオンの尻尾になった方がよい
⇒寄らば大樹の陰
“A fox is not caught twice in the same snare.”
キツネは同じ罠では二回は捕まらない
⇒柳の下のドジョウ
ちなみに英語でキツネは、「ずる賢い」イメージがあります。日本でも狸と一緒に人を化かす動物としての悪いイメージもありますが、狐自体は古来より日本人にとって神聖視されており、お稲荷さん(稲荷神)のように祭られてもきました。