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「こりゃ参った」
「風が吹けば桶屋が儲かる」の英語
「KAZEGAFUKEBA OKEYAGA MOUKARU」in Nihongo/japanese
“It’s an ill wind that blows nobody any good.“
誰のためにもならないで吹くのは(本当に)悪い風だ
- 風が吹けば桶屋が儲かる
ill:悪い、邪悪な
風が吹けば桶屋が儲かるとは、ある出来事の影響がめぐりめぐって考えの及ばないような結果につながるという意味です。
もとは、江戸時代の浮世草子にある言葉で当初は『桶』ではなく『箱』でした。
最終的に桶屋が儲かる理屈は、
大風が吹く⇒砂ぼこりが立つ⇒目の病気になる人が増える⇒三味線を買う人が増える⇒猫の数が減る⇒ネズミが増える⇒桶がかじられる⇒桶が売れる。
もう少し補足をすると、目の病気の結果、失明する人が増えれば三味線で生計を立てる人が増えます。(江戸時代の目の不自由な人の仕事と言えば、按摩(あんま)や針治療、そして三味線弾きでした。)
また、三味線の皮は猫の皮。
三味線の需要が増えると猫がたくさん捕えられるという当時の文化的背景があります。
一方で英語では、何かの喪失や悲劇は多くの場合他の誰かの利益になっているという意味です。省略して“It’s an Ill wind.”とも言います。
直訳してしまうと「誰のためにもならなく吹くのは悪い風だ」となり、なぜ「風が吹けば桶屋が儲かる」と解釈できるのか理解するのが難しいことでしょう。
なので、trulyが間に抜けていると考えてみるともう少し分かりやすいかもしれません。
“It would have to be a truly ill wind if it blew no good to anybody.”
もし誰のためにもならなずに吹くのならば、それは本当に悪い風となるだろう。
(でもそんな風はめったにない)
日本語とはニュアンスが違うのは、一つの現象が連想ゲームのように最終結果に結びついてはいません。単純に一つの現象の受け手の中には、利益を得る人もいるんだということを表現しています。
「風が吹けば桶屋が儲かる」の他の英語表現
“butterfly effect”
蝶の効果
⇒風が吹けば桶屋が儲かる
カオス理論の一つ、バタフライ効果。
ある場所での蝶の羽ばたきが、そこから離れた場所の将来の天候に影響を及ぼす現象を表現しています。ことわざではないですが、内容的にはこちらの方が「風が吹けば桶屋が儲かる」により近いかもしれません。
“one thing leads to another”
1つの出来事がもう1つの出来事を導く
⇒風が吹けば桶屋が儲かる